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円安と食料問題
- 2014/08/03(Sun) -
今日の日経新聞トップは食料に関する記事でした。

そして、一層の円安懸念についても大きく報じられていました。

この2つのテーマの関係を考えながら、ちょっと長文ですが、こんな記事にまとめてみました。


またまた円安の兆しです。

アメリカ経済が好調であることと、日本の金融緩和長期化見通しが影響しているようです。


この円安傾向が始まったのはアベノミクスが始まった2012年でしたが翌2013年日銀総裁に就任した黒田東彦氏による異次元の金融緩和によってこの流れが大きく加速されたのはまだ記憶に新しいところです。

Yahooファイナンスの為替変動グラフによると、2007年頃大企業を中心に好景気を謳歌していた頃の為替は115円以上の円安でしたが、世界金融危機以降円高が急速に進み、東日本大震災がおきた2011年には77円近くまで円高となり、その円高の影響による輸出減、海外経済の行き詰まり、原油価格の高止まりなどによってついに31年ぶりに貿易赤字になったのでした。

円安の影響は20140803-1


「震災で日本が危機なのに何故円高?」などと良く言われたものでした。

しかし、それは為替とは何の関係も無かったのです。


新興国などへの投資に回っていたお金が世界経済の後退に直面し、比較的安全な日本に環流したというわけです。
もちろんそのような資金はドルにも向かいますが、アメリカには巨額の経常赤字があり、それによるドル売りをカバーするほどの資金流入はなかったということなのでしょう。

結果、円だけが高くなった。そういうことなのです。


あの頃に比べると今日の為替水準は輸出企業にとっては誠に有り難いことになります。

円安は輸出にはプラスに働きます。

もし、外貨建て価格が変わらないとすれば円貨での受取額が増加します。

逆に円建て価格を変えないとすれば、外貨建て価格が下がり国際競争力が高まります。

家電各社が業績を急回復させた要因としては、もちろんそれぞれの経営努力は否定できませんが、円安によってサムソン(ウォン高)などアジアの競争相手との不利な戦いから解放されたことの影響は小さくはなかったのだろうと思われます。

いずれにしても、輸出企業には恩恵です。


しかしながら、輸入に関しては、外貨建て価格が変わらないとすれば、円建てでの支払額が増加し物価を押し上げます。

輸入財の価格が高騰した場合、国内でより安いものがあれば置き換わるでしょうが、アジアを中心とした低価格品に太刀打ちするのは容易ではありませんし、原油などエネルギーについては代替は困難です。

結果として物価高となるわけです。


本田技研工業に代表されるように、日本企業の現地化も進み、昔ほど輸出における円安メリットは無いとも言われます。


ちなみに、内閣府がまとめた「海外生産比率」と「海外設備投資比率」の推移を見ると、2009年度以降の海外設備投資比率の急上昇が際立っていることがわかります。特に輸送機械、つまり自動車の海外投資がいかに活発化がよくわかります。

海外生産比率については、製造業全体では、昭和の時代は10%までだったのが、平成に入り20%近くまで上昇していることがわかります。


海外設備投資比率の急上昇に鑑みると、この海外生産比率が今後一段と大きく上昇することが容易に予想できます。

円安の影響は20140803-2

となると、円安による輸出への好影響は限定的、一方で輸入価格の高騰は確実に追いかけてきます。

さてさて、物価の高騰ということは、消費者にとっても輸入財をつかって国内市場を相手に事業をする企業にとってもつらいことです。


でもそれ以前に、

今日の日経新聞によると、2050年には世界人口が96億人に増加するとのことです。

そうすると、今後間違いなく食料と原油や天然ガスといったエネルギー源の需給が益々逼迫してきます。

それを考えると、むしろ円高が好ましいということになります。

そろそろ円安に歯止めがかからないと日本にとって良いことは無い気がするのです。

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