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徳こそが我々を救う
- 2009/04/02(Thu) -
 内村鑑三の「代表的日本人」(岩波文庫)を読みました。
 随分以前に一度読んだような気もしますが、今月の文芸春秋の記事に触発されて再読しました。

 今日の経済危機を踏まえて読むとおもしろい主張がたくさんありました。

 (立憲制に変わり)封建制とともに、それと結びついていた忠義や武士道、また勇気とか人情というものも沢山、私どものもとからなくなりました。ほんとうの忠義というものは、君主と家臣とが、たがいに直接顔を合わせているところに、はじめて成り立つものです。その間に「制度」を入れたとしましょう。君主はただの治者にすぎず、家臣はただの人民であるにすぎません。もはや忠義はありません。憲法に定める権利を求める争いが生じ、争いを解決するために文書に頼ろうとします。昔のように心に頼ろうとはしません。
(上杉鷹山の章、53ページ)


 我々の時代には、「封建制」は悪い意味で使われます。西洋的立憲民主主義を絶対的価値とする前提があるからです。制度に完全なものはありません。封建制もそれが圧制者によって行われる場合はもちろん悪しきものです。が、立憲民主主義という次善の体制にが通いにくいのも事実のようです。

 真心は慈愛を生む、慈愛は知識を生む。真心さえあれば、不可能なものはない。役人は、民には母のように接しなければならない。民をいつくしむ心さえ汝にあるならば、才能の不足を心配する必要はない。
(上杉鷹山の章、61ページ)


 戦後教育は、学識のみを重んじました。人間としてのあるべき道を教えることを決定的に怠ってきたように思えてなりません。

 (藩主からある村の建て直しを命じられた二宮尊徳は)数ヶ月の間、村民とともに過ごし、一軒一軒たずね、生活ぶりを注意深く観察しました。そのうえ、土質、荒れ具合、排水、灌漑の設備などを詳細に調べあげ、荒廃した地域を興すに足だけの、十分な判断を下すための情報を、すべて集めました。
(二宮尊徳の章、86ページ)


 なんと徹底した現場主義でしょう。公共事業を行う政府、改革を進めようとする経営者、この姿勢は十分でしょうか?(もちろんコンサルタントも!)

 まことに救済する秘訣は、彼らに与える金銭的援助をことごとく断ち切ることです。かような援助は、貪欲と怠け癖を引き起こし(中略)貧困は自力で立ち直らせなくてはなりません。
(二宮尊徳の章、86ページ)


 なんとも厳しい言葉です。道徳力を経済改革の要素として最も重視していました。保護や一時的な援助では根本的な問題解決にはならない、自助できる力を身につけさせなければならない、ということなのです。
 そして、二宮尊徳は、このことを自らの行動で示しました。

 ぜいたくな食事はさけ、木綿以外は身につけず、人の家では食事はとりませんでした。一日の睡眠はわずか2時間のみ、畑には部下のだれよりも早く出て、最後まで残り、村人に望んだ苛酷な運命を、みずからも耐え忍んだのでした。
(二宮尊徳の章、88ページ)


 (数千の領民が大飢饉によって餓死寸前にあったとき、飢民を救うために直ちに城の倉庫を開く鍵を渡すように求めた尊徳に対して、「殿様直筆の文書がなくては」と拒絶する役人に対して)
 「よろしい、そのかわり、今から殿様直筆の許可状が到着するまでの間に、多くの飢えた領民の餓死を招くことになります(藩主は江戸にいた)。領民を忠実に守るべき身の我々は、領民が食物を断たれているように食を断ち、使者の帰るまで、この役所のなかで当然断食をして待たなくてはなりません。そうすることで人々の苦しみが、多少なりともわかるでありましょう」と伝えました。
 (中略)
 お役所仕事というものは、無駄な手続きを経なければならないので、その間に苦しんでいる人たちへの救済が手遅れになってしまうのです!
(二宮尊徳の章、102ページ)


 何も役所に限ったはなしではありまえん。企業においても、幹部の意思決定が遅く、現場がどんどん荒廃していく姿を見る機会があります。誠に悲しい気分にさせられます。

 この本には、他に「西郷隆盛」「中江藤樹」「日蓮上人」についての章があります。また機会があればご紹介したいと思いますが、共通して言えることは、「道徳」「慈愛」など「心」を中心に据えているということです。

 マックス・ウェーバーは「勤勉を徳と心得る」ことが資本主義精神の神髄であると語っています。かつての勤勉、誠実などといった美徳を失い、拝金主義に陥ったことが今日の危機を招いていることは間違いありません

 低年齢層に「お金の教育」をしようと主張するむきもあります。その前にやるべきことがあるように思えてなりません。


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