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本社費配賦
- 2007/08/27(Mon) -
 ブログランキング1位を記念して、こだわりの「本社費配賦」論をひとつ。

 本社費共通費をある一定の基準で各部門に負担させるために、按分計算することを「本社費共通費配賦」(以下単に「本社費配賦」という)などと呼ばれています。

 本社費とは、経理、財務、人事、総務、経営企画、情報システムなどといった部門で発生する費用のことを言いますが、もちろんこれらの部門はコストに見合うだけの売上などの収益を得ているわけではありません。
 あるいは、共通費、これはたとえば全社のPRのための広告宣伝費や全社を統括する役員にかかわる費用などがそれにあたります。
 そしてこれら本社費共通費部門別損益計算をする際には、プロフィット・センター(注)に一定の基準で負担させるわけです。

(注) 「収益-費用=利益」という損益計算ができる組織単位をプロフィット・センターと呼びます。逆に「収益-費用=利益」という損益計算ができない組織単位をコスト・センターと呼びます。上記の本社部門などは通常コスト・センターになります。


 その際の配賦基準は何を使うか、たとえば売上高の大きさに比例して按分するべきなのか、人件費の大きさに比例させるべきなのかなどといったことを中心にさまざまに議論がなされるテーマであるわけです。

 配賦を行う目的はいくつかあります。
(1)部門目標利益を本社費を勘案して決める
(2)製品・サービスの価格を決定する際、コストとして本社費も勘案しておく必要がある
(3)同業他社との業績比較をするためには本社費後利益が必要
(4)部門長に本社費の存在を理解させる

 実はこのような目的をよく考えずに、なるべく正確に配賦しよう(何をもって正確ということすら不明なまま)とするところに混乱が生じるそもそもの原因があります。

 このような目的をふまえたとき、おのずと本社費配賦におけるポイントは明らかになると考えています。すなわち、次の5つが重要なポイントです。

(1)業務代行部門については、受益者負担の考え方を基本に、配賦ではなく内部振替によって負担させる。
 業務代行部門とは情報システムや物流部門といった、いわばライン業務を代行している部門のことを言います。このような部門については、そのコストを配賦するということではなく、受益者負担の観点から、一定の価格を設定し利用実績に基づいて内部振替で料金を徴収する方法が合理的であると言えます。
 なぜなら、このような部門のコストを配賦によって負担させることをすると、このような業務代行部門に対していくら過大な要求をしても負担する配賦額には変化がないため、不必要にコストがアップする傾向があるからです。

 このような代行手数料を徴収するという考え方を発展させた制度にシェアード・サービスというものがありますが、そのことについてはまた日を改めて述べます。

 また、業務代行部門が配賦対象からはずれることによって本社費総額そのものが少額になり、納得性が高まるという効果もあります。

(2)配賦計算は予定配賦によっておこなう。
 配賦計算を毎月の実績値で行うのか予算値で行うのかということですが、結論を言えば、予算で行わなければ納得は得られないということです。
 なぜなら、各部門長は年初に明らかになった本社費を前提として自らの目標を設定しているわけですが、期中において実績配賦されてしまいますと、当初の予定と狂ってしまうからです。つまり部門長自らのコントロールが及ばないところで予定を狂わせるようなことは士気の低下につながるというわけです。

(3)配賦基準はインプット基準を使う。
 配賦基準としてよく採用される売上高などは努力の結果として得られたアウトプットです。
 しかし、本来本社費の配賦度合いは稼がなければならない責任の大きさに比例して決定するべきものです。その意味でアウトプットではなく、インプット、つまり投入資源の大きさを基準にする方が合理的です。具体的には、使用資本や人員数、人件費などです。
 売上高や利益といったアウトプット基準は、努力して成果をあげた部門がより多く負担させられるという意味でも納得性の低い基準です。
 さらに、売上高基準については、たとえば各部門が異業種で構成されているような場合には、全く合理性を欠くことになります。たとえば商社と製造業とでは売上高の質がまったく異なります。つまり商社は製造業に比較して薄利多売であることが多く、見かけ上の売上高が多くなる傾向にあります。その結果負担能力以上の本社費が配賦されることになるからです。

(4)配賦基準については、本社のスタッフやトップが決めるのではなく、各部門長の話し合いによって決めさせる。
 つまり、「決定への参画」させることによって納得性を高めようということです。

(5)本社費の予算編成に当たっては各部門長に意見を述べさせる機会を与える。
 つまり、本社部門の非効率的な運用によって本社費が膨らみ、結果として目標利益が高く設定されることがあっては各負担部門のモラールは低下することになるということです。本社部門においても特にコストダウンに対する意識を高めさせると同時に各負担部門においては、予算編成に参画することによる責任を意識させる意義があります。

 なお、本件、拙著「社長、その数字の使い方は間違ってます!」(中央経済社)により詳しく解説しています。


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コメント
-IT業界は・・・-
人の単価が商品の値段です。

ご存知のように、総人件費+本社費の一人当たりの負担分を算出して、それを20日で割ると、一日の単価。

だから本社費の計算は大変重要になってきます。

本社費に頭を悩ましていた時代、仰っていることをもっと徹底したらよかったな~と思いました。
2007/08/27 15:00  | URL | トクエモン #-[ 編集] |  ▲ top

--
南の冠座様、
非常に参考になる、貴重な「本社費配賦」論です。中小企業の社内の部門別損益の体制を作ろうとしていた際に、
その目的をよく考えることと、5つの重要なポイント、すぐ使えます。
本社だけではなく、DC(ダイレクトコスティング)ですすめて、Fの配付基準においては、できるだけシンプルにしようと考えています。
ありがとうございました。
2007/08/28 11:10  | URL | so #-[ 編集] |  ▲ top

--
>>トクエモンさま
今からでも遅くありません。今後の事業展開の中で是非参考にしてください。

>>soさま
そんなに評価していただき、この上なく嬉しいです。
ポイントはこれまでのつたない経験に基づいたものですので、今後更に加筆していくことになるかもしれません。
またお役にたてれば幸いです。
2007/08/28 11:33  | URL | 南の冠座 #-[ 編集] |  ▲ top


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