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損得勘定には時として害になる原価計算
- 2008/04/13(Sun) -
 一昨日の記事で、中小企業の原価計算ということを話題にしました。

 結構反響をいただきましたので、少し考えていることのさわりを書きたいと思います。

 原価計算というもの、損得勘定をする上では、気をつけなければならないことが結構あります。

 いくつかの例は、拙著「計数管理のプロフェッショナルに聞け!」(中央経済社)の中でお示ししていますが、注意しなければならないのは、原価計算を何の目的で使うかということです。
 例えば、製品別製造原価を計算する際、全部原価計算という手続きでは、固定費を一定の人為的基準で各製品に配賦するということを行います。

 この目的は、製品の価値を適正に測定しようということですから、製品棚卸高の評価や製品の販売価格決定などにおいては役にたちます。(但し、価格決定を全部原価計算だけに頼るのは危険なこともあります)

 しかし、損得勘定では、どの意思決定が、将来におけるキャッシュフローにおいてよりメリットが大きいかを判定しなければなりません。

 したがって、選択肢ごとに損得がシミュレーションできるということが非常に重要です。

 材料費などの変動費は、製品1個作るのにいくらかかるか直接的にひもづいていますし、明らかに1個余分に製造したら1個分の材料費が増えます。

 しかし、固定費、例えば、工場建屋の減価償却費なんかは人為的に製品に割り振ってしまいます。

 こんな費用は、製品を1個余分に作ったからと言って1個分余分にかかるわけではありません。

 変動費固定費とはその発生形態がまるで異なりますから、明確に区別して考えないととんでもない判断ミスをすることになります。

 つまり、意思決定によってどの費用がどのように変化するかを読めなければ将来に向けての意思決定はできません。

 その際、変動費固定費とはまるで異なったルールで変動することになります。(固定費は変動しないと思っている人も意外に多いのですが、変動しない固定費の方がむしろ少数派です)

 この点に関しては、直接原価計算という手続きを理解し、活用する必要があります。

 また、事業にしても製品にしても、それぞれが社内でどのような位置づけにあるのかによって、判断の基準は違ってきます。

 例えば、「操業度を一定に維持するために付加的に製造している製品などについては、固定費の配賦後利益がたとえマイナスであっても、既存の能力の範囲内で対応可能で、なおかつ固有の変動費をカバーしてあまりある限界利益を確保しているのであれば、十分存在意義がある」などといった判断が必要になります。

 一方で、本業あるいは主力製品においては、固定費も回収しその上で十分な利益水準を維持しなければならない、などといった基準で判断することが求められます。

 この点については、次のサイトで事例でお示ししています。
http://www.herbist.co.jp/topics/managerial_accounting_1.html
http://www.herbist.co.jp/topics/managerial_accounting_2.html

 ところで、変動費に関連して、以前から気になっていることがあります。

 原価計算の本の中で、直接労務費(直接作業員が製品の加工や組立に直接的に携わっている時間に対応する賃金など)は変動費として取り扱っている点です。

 労務費なんて昔と違って、出来高で計算されることはありません。大半は固定給です。

 たまたま、直接作業時間比で製品にひもづけるという人為的計算手続だからといって変動費と見るなど管理上は大いに問題があります。

 あるいは、ちょっと細かいですが、材料の仕入単価を計算する際、材料の購入事務・検収・整理などにかかわる費用を加算することになっています。

 仕入単価に相当する部分はもちろん変動費です。

 一方事務コストは固定費です。

 変動費と固定費をいっしょくたにされては適正な管理はできません。

 「そんなものは小さいコストなので影響は少ない」ということであれば、そんな手間だけかかる配賦計算はやめれば良いのです。

 ちょっと考えただけでも課題はたくさん出てきます。

 難しいことを、きちっと整理して、実務に使える技術だけを誰にも簡単にわかるように伝えたい、それが今の私の課題です。

 この記事もなかなか最後までおつき合いいただける人は少ないでしょう。

 「そんなことでは駄目なのだぞ!」と、自分を叱責しています。

 最後までおつき合い頂いた方、ありがとうございました。

 
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コメント
-直接原価計算-
最後まで、しっかりよませていただきました。わかりやすく書かれていて、ありがたいですv-7

変動費と固定費をわけて(ラフなものでも)、直接原価計算(ダイレクトコスティング)
でもって判断することは、企業経営をする側からもとっても便利です。

so

櫻井さんの言われるように、だれにでも簡単にわかるものになりますね。

2008/04/16 12:33  | URL | so #-[ 編集] |  ▲ top

--
soさま
いつもありがとうおございます。
辛口のご意見などもありましたら、是非よろしくお願いします。
PS:
なかなかFAJ定例会に参加できません。
2008/04/16 17:31  | URL | 南の冠座 #-[ 編集] |  ▲ top


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