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成功体験の抽象化
- 2014/10/13(Mon) -
先日ある会社の会議で営業活動における成功事例の発表が行われました。

成功事例を共有するのは非常に意義のある素晴らしい取り組みです。

ただ、成功事例でも失敗事例でも同じなのですが、本当に組織の知恵に昇華するには、やはり抽象化という作業が避けて通れません。

抽象化とは、複数の具体的な出来事などから共通の要素を洞察するなどして、物事の目的や意味、本質を考えることです。

例えば、こんな感じです。

最近、多くの得意先は、単純な価格や納期にはあまり反応しなくなってきた。

A社は、当社が納入している商品の新しい用途提案に喜んでくれた。

B社は、自分の客先への同行訪問を喜んでくれた。

C社は、自分の売り先業界の情報提供を喜んでくれた。

共通項は、「得意先自身の売上アップのサポート」などと抽象化することができます。

ですから、成功事例などは、それを発表するだけではなく、皆で意見を出し合って、本質的な成功要因を抽出するという作業を行うことでより意味のあるものになります。

「君の話は抽象的でよくわからん。もっと具体的に言いなさい」などと「抽象」という言葉を悪い意味で使うむきがありますが、「抽象」は具体的なノウハウを生み出す為にとっても大切であるということを再確認しておきたいものです。

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JALホテルとアメーバ経営
- 2014/09/29(Mon) -
先日金沢に出張した時のことです。

宿泊先は、セミナー主催者様がご用意くださった金沢ニューグランドホテルでした。

金沢の中心街にあるちょっと豪華なホテルですが、地方都市ということでもあり、宿泊料は意外に安くシングルだと5000円~8000円ぐらい。
(私はツインをご用意いただいていましたのもうちょい高くついていると思います)

朝、ホテルを出発する折、ロビーにCAさんを発見。「どこのCAさんかな」、と思ってユニフォームをよく見ると「JAL」の文字。

金沢駅前には豪華な日航ホテルがあります。昔なら当然の様に日航ホテルに宿泊されたことでしょう。

実は、日航ホテルは、先の経営再建の一貫で2010年からホテルオークラグループ入りしています。

そういうことなんですね。売却によってグループ外になったので利用しないんですね、、、本当にそうだろうか?

もし、売却していなかったらどうだったんだろうか?

想像してみました。

私は、もし売却しておらず、日航ホテルがグループ内にとどまっていたとしても、CAさんやパイロットさんたちは他の安いホテルを利用していたのではないかと思うのです。

その理由は、アメーバ経営にあります。

アメーバ経営においては、それぞれの利益責任体(プロフィットセンター)としてのアメーバは、自らの採算性を高めるためには、グループ内からの調達が可能であっても、外部調達の方が有利であると判断すればそれが許される仕組みになっているはずです。

そうすることで、買い手側はコストダウンを実現し、

売り手側は、「グループ内なのだから利用してもらって当然」なという甘えを捨て、利用してもらうためには何が必要かを真剣に考えるようになる。

というわけです。

本当のところはわかりませんが、、、


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仮説検証が分析の目的、そんなことはみんな知っている、でも、、、
- 2014/08/30(Sat) -
ここ最近、ずっと会社業績アップに本当に役立つ、あるいは未来指向の行動に直結する計数分析のあり方について考えています。

職業柄、実に様々な企業におじゃまし、そして実に様々な計数資料を拝見します。

そんな時、必ずしも明確な目的を持たないままに、極論すれば惰性で作り続けられている資料が結構たくさんあることに気づかされます。

分析には少なくとも2つの重要な目的があります。

ひとつは、仮説をたてるための分析です。

比較的大局的な数字を元に大胆に仮説を立てるということです。

もうひとつは、たてた仮説を検証するための分析です。

この場合、分析によって仮説が検証されることもありますし、

ときにはたてた仮説に基づいて実際に行動してみて、その結果を分析して検証することもあります。

仮説をたてて検証する、実は誰でも意識せずに日常的に実行していることなのです。

例えば、この夏私の小さい息子は初めて釣りにチャレンジしました。

釣り堀のおじさんの熱心な指導もあってではありますが、

餌をかえてみたり、場所をかえてみたり、針をいれる深さを変えてみたり、、、色々と試しています。

これ、まさに仮説検証を繰り返しているということなのです。

とりたてて、仮説検証などと大仰に騒ぐことではないのです。

にもかかわらず、分析資料を作るという行為においては時としてそんなことが忘れ去られたりします。

何故そんなことが起こるんでしょうか?

作成者側の問題としては、こんな感じでしょうか。

(1)過去からやっていることを変えるのは手間だしリスクがある
(2)深く仕事の意味を考えず、ただ決められたことをもくもくとこなす仕事スタイルが身についている
(3)業務のあり方や課題を深く知らないのでそもそも意味のある資料を作成できる前提がない

受け手側の問題としては、

(1)自分以外にその資料を役立てている人がいるかもしれないと思って放置している
(2)出された資料を十分に使いこなせないのを明らかにすることで自分の無能さを証明したくない
(3)経験と勘に基づくマネジメントが身についており客観的な分析資料に重きをおいていない

当たらずといえども遠からずではないでしょうか?

このような皆さんに対して、当たり前のこと(仮説検証)を当たり前にやっていただくように刺激を与えていきたいと思っております。

→ 近刊予定 「ザ・分析マスター」(アマゾン電子出版)、ご期待ください。

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USJのハリーポッター投資効果予想
- 2014/08/19(Tue) -
近頃よくマスメディアで取り上げられるUSJのウィザディング・ワールド・オブ・ハリーポッターですが、もう行った方もいらっしゃるのでしょうか?

うちは、ほとぼりが冷めてから行ってみようかと思っています。

それはそうと、この投資にはおよそ450億円が投じられたとの報道がありました。

450億円の投資を回収するためにどれぐらの増収が求められるのか?

試算してみました。

まず、前提条件として、

・USJは一時は東証マザーズに上場していましたが、その後MBOによって上場廃止になっています。

・従って詳細な財務情報が手に入りません。

・資本コストを仮に5%に設定します
 (通常は有利子負債コストと株主資本コストの加重平均をつかいますが、これは実質的にはコストというよりも、目標投資利回りという意味を持ちます)

・この投資の耐用年数を10年と仮定します

・3年に一回の割合で追加で50億円の投資が必要と仮定します(従って3年目、6年目の2回、単純合計100億円の追加投資)

・来場者1人1回当たり限界利益を以下のように仮定
 年間フリーパス大人子ども平均15,000円÷年3回来場=5,000円/回
 飲食・商品購入 3,000円×限界利益率50%=1,500円
 合計:6,500円

・本来は投資しなかった場合のキャッシュフロー悪化との比較で投資効果を分析するべきですが、予想が難しいので現状との比較における業績浮揚効果のみを対象とします。

さて、試算です。(単位は百万円単位です)

まず、追加投資の現在価値を求めます。

5,000÷1.05の3乗+5,000÷1.05の6乗=8,050
初期投資額45,000と合算して、

投資の現在価値合計は53,050となります。

一方、割引率5%で投資期間10年の年金現価係数は7.7216ですので、

年間必要CF増加額×7.7216=53,050の方程式を解くと、

年間必要CF増加額=6,870百万円
となります。

この投資によって増加する減価償却費を仮に年平均5,000百万円とすると

年間必要純利益増加額=1,870百万円

実効税率30%(今後減税があることを見越して)とすると、

年間必要税前利益増加額=1,870百万円÷70%=2,671百万円
となります。

減価償却費が5,000百万円ですから、

年間必要限界利益増加額は7,671百万円

この金額を来場者1人1回当たり限界利益額6,500円で割ると

約118万人の延べ来場者数の増加が必要となります。

これは、2013年来場者数1050万人の約11%です。

前提条件が変わると結果はかなり変化しますし、この試算では、電力費の増加額や人件費の増加額を織り込んでいませんので更なる来場者数増加が必要かもしれません。

ハリーポッター効果で当初は2~3割来場者数が伸びると予想されていますが、これが継続的に維持できればクリア、という感じですが簡単では無い気がします。

不確定要素が多いのであくまで予想に基づく前提がベースですので、結論の正確性は十分ではありません。が、計算のプロセスは学んでいただけるのではないかと思います。

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確率論の罠「99%の精度です」ってどこまで信頼できる?
- 2014/06/08(Sun) -
10,000人に1人の割合で感染する致死性が非常に高い伝染病を題材に、確率論の落とし穴を考えましょう。

この伝染病の感染については、99%の精度で判定する検査方法があります。

あなたは、その検査を受けて陽性という結果を得てしまいました。

あわてる前にちょっと考えてみましょう。

10,000人に1人なので、1,000,000人の中には100人の感染者がいる計算になります。

99%の信頼性なので、99人は陽性と判定されます。

一方999,900人は本来は陰性なのですが、信頼性が99%ですので、999,000人の1%、つまり9,990人は誤って陽性と判定されてしまいます。

先の99人と合計すると、10,089人が陽性と判定されるわけです。

実際の感染者は100人です。

つまり、陽性と仮に判定されても、実際に陽性である確率は、100人÷10,089人=0.99%となり、陰性の可能性の方がはるかに高いということになります。

数字のマジックのひとつです。気をつけましょう。

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