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ブログお引越し
- 2015/02/22(Sun) -
読者のみなさんへのお知らせです。

このブログは、2015年2月より下のサイトへ引越し致しました。

櫻井道裕の経営雑感

今後も引き続きの御贔屓をお願い申し上げます。

櫻井道裕

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顧客の立場で考えて、競争優位性を蓄積する
- 2014/12/25(Thu) -
ある主婦の話、遠くに住む自分の父親とご主人の母親に毎週宅配の食事の手配をしておられます。

インターネットでWebサイトにログインして注文をするらしいのですが、

自分の父親とご主人の母親それぞれ別々にログインして手配しなければならないのがとっても不便だとか。

自分の父親のID・パスでログインして発注、そしてログアウトして、再びご主人の母親のID・パスでログインして発注する、ということを毎週しておられるようです。


このようなケースは決して珍しはないのだろうと想像します。

サイトの運営側は、このような小さな不便を理解し、継続的に改善を積み重ねていくことで顧客の信頼を獲得することになります。

小さなことですが、大切です。

インターネットという顔が見えないコミュニケーションにおいては特に細部にこだわることが大事です。


他社との間で差別化によって競争優位性を得るための方法として、

SP(Strategic Positioning)

OC(Organizational Capbility)
の2つがあります。

OCは、長年の組織的な努力によって他社の追随をゆるさないノウハウを組織内に蓄積することで競争優位性を得る方法で、トヨタやセブンイレブンに代表されるように日本のお家芸的方法です。


顧客の声に耳を傾け、顧客の立場に立って考え、継続的に改善を積み重ねていく、

やはり、最も基本で最も大切なことなのだと思わされたエピソードでした。

忙しくなったり、逆に業績が悪化したとき、ときとして顧客不在の意思決定をしがちです。

気をつけたいです。

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未来は言葉が創る
- 2014/12/23(Tue) -
ある会社で長期ビジョンについて討議しています。



「社会に影響を与える」というキーワードが出てきました。



筋としては悪い言葉ではありません。



しかし、その言葉でワクワク感を感じるのか?



面白いのか?



社員たちを巻き込んで、ワーっと組織にドライブをかけるには表現がおとなし過ぎると感じました。



イノベーティブな未来を作るなら



「社会を変える」となるべきでしょう。



起業家には慣れ親しんだ言葉なのです。



が、企業家にはなじみが無いようです。





「社会に影響を与える」程度の言葉では、今の延長線上での改善的な進歩、既に社内で明確な課題と認識されていることの実現程度のことしか思いつかないのでしょう。



それが悪いとは思いませんが、長期で考えるのなら、もっと夢が欲しい、などと傍目に感じたのでした。





櫻みち経営塾で行った昨日の忘年パーティーで報告する「日本管理会計学会報告」のネタを整理していました。



その中に、トヨタの土井氏の報告が含まれています。



「21世紀の自動車を考えよ」



との命題に、



20%・30%の燃費向上では、イノベーションは起きない



改善レベルで頑張ればなんとかなる



燃費を半分にせよ



と言われたからパラダイムシフトが起きたのだ、という話がありました。





イノベーションは物作りにだけおきることではありません。



製品やサービスの提供方法においてもたくさんのイノベーションが起きています。



イノベーションが起きる組織、そこに意識が向く組織づくりのお手伝いがしたいと感じる今日この頃なのです。


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業界構造と収益性
- 2014/12/10(Wed) -
「小僧寿し」という老舗の寿司販売チェーンが迷走しているとの報道があります。

正社員の3分の1にあたる人数の希望退職募集

社長の不明朗なお金の流れ

寿し店でのピザやどんぶりの販売

大幅な赤字

経営改善方策の公募(これは一概に悪いことばかりではないでしょうが、、、)

そして、

今月になって、新たにラーメン店の展開が発表されました。

私が感じたのは、事業で競争に勝つ以前に、事業そのものの見極めができていないのではないか、ということです。

もちろん、「規模の経済性」や「範囲の経済性」を追求してシナジーが期待できる関連ビジネスを展開することは悪いことではありません。

ただ、どんな事業に取り組むのかは慎重に検討しなければなりません。当り前と言えば当り前です。

当然「比較的少ない資源投入と少ない努力で成果が出る事業」を、となります。

そんなときに良く使われる業界環境分析の世界標準が5フォース分析です。

その業界が儲かりやすいかどうかは5つの力関係に依存する、そんな理論で、かの有名なマイケル・ポーターが提唱した枠組みです。

1.業界内競争
2.新規参入の脅威
3.代替品の脅威
4.仕入先の交渉力の強さ(力関係)
5.販売先の交渉力の強さ(力関係)

こられ全てにおいて厳しい場合は、なかなかがんばっても儲からない事業、
逆に、いずれにおいても恵まれている場合は、比較的容易に利益を得ることができると判断されるわけです。

寿司販売店でピザを売るという迷走はともかく、
それ以前に、

寿司販売業やラーメン店の業界構造をちゃんと分析しておられるのか、という部分に疑問を感じます。

寿司販売については、

随分以前から、スーパーやデパ地下で質の高いものが販売されるようになっています。つまり、新規参入が活発というわけです。

あるいは、回転寿司店の質の向上と低価格化は著しく、もちろん持ち帰りもできます。つまり、代替品の脅威は益々大きくなっているということです。

仕入先については、活きの良い魚を奪い合うような環境ですから、当然仕入先の交渉力は高まっています。

消費者はたくさんの寿司販売店や寿司店をそのときどきのシーンに合わせて自由に選択できます。

つまり、ほぼいずれの力関係においても極めて厳しいものがあるということがわかります。

ラーメン店も似たり寄ったりと想像できます。

こんな分析は、少なくとも年に一回程度は行い、事業そのものの評価をして、事業構造の変革を含めた検討をするべきなのだと考えています。

わかっていてもついつい「ゆでガエル現象」のように「過去の成功体験のイメージが強く、まだまだ大丈夫」となってしまいがちです。

他山の石する必要がありそうです。

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成功体験の抽象化
- 2014/10/13(Mon) -
先日ある会社の会議で営業活動における成功事例の発表が行われました。

成功事例を共有するのは非常に意義のある素晴らしい取り組みです。

ただ、成功事例でも失敗事例でも同じなのですが、本当に組織の知恵に昇華するには、やはり抽象化という作業が避けて通れません。

抽象化とは、複数の具体的な出来事などから共通の要素を洞察するなどして、物事の目的や意味、本質を考えることです。

例えば、こんな感じです。

最近、多くの得意先は、単純な価格や納期にはあまり反応しなくなってきた。

A社は、当社が納入している商品の新しい用途提案に喜んでくれた。

B社は、自分の客先への同行訪問を喜んでくれた。

C社は、自分の売り先業界の情報提供を喜んでくれた。

共通項は、「得意先自身の売上アップのサポート」などと抽象化することができます。

ですから、成功事例などは、それを発表するだけではなく、皆で意見を出し合って、本質的な成功要因を抽出するという作業を行うことでより意味のあるものになります。

「君の話は抽象的でよくわからん。もっと具体的に言いなさい」などと「抽象」という言葉を悪い意味で使うむきがありますが、「抽象」は具体的なノウハウを生み出す為にとっても大切であるということを再確認しておきたいものです。

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JALホテルとアメーバ経営
- 2014/09/29(Mon) -
先日金沢に出張した時のことです。

宿泊先は、セミナー主催者様がご用意くださった金沢ニューグランドホテルでした。

金沢の中心街にあるちょっと豪華なホテルですが、地方都市ということでもあり、宿泊料は意外に安くシングルだと5000円~8000円ぐらい。
(私はツインをご用意いただいていましたのもうちょい高くついていると思います)

朝、ホテルを出発する折、ロビーにCAさんを発見。「どこのCAさんかな」、と思ってユニフォームをよく見ると「JAL」の文字。

金沢駅前には豪華な日航ホテルがあります。昔なら当然の様に日航ホテルに宿泊されたことでしょう。

実は、日航ホテルは、先の経営再建の一貫で2010年からホテルオークラグループ入りしています。

そういうことなんですね。売却によってグループ外になったので利用しないんですね、、、本当にそうだろうか?

もし、売却していなかったらどうだったんだろうか?

想像してみました。

私は、もし売却しておらず、日航ホテルがグループ内にとどまっていたとしても、CAさんやパイロットさんたちは他の安いホテルを利用していたのではないかと思うのです。

その理由は、アメーバ経営にあります。

アメーバ経営においては、それぞれの利益責任体(プロフィットセンター)としてのアメーバは、自らの採算性を高めるためには、グループ内からの調達が可能であっても、外部調達の方が有利であると判断すればそれが許される仕組みになっているはずです。

そうすることで、買い手側はコストダウンを実現し、

売り手側は、「グループ内なのだから利用してもらって当然」なという甘えを捨て、利用してもらうためには何が必要かを真剣に考えるようになる。

というわけです。

本当のところはわかりませんが、、、


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仮説検証が分析の目的、そんなことはみんな知っている、でも、、、
- 2014/08/30(Sat) -
ここ最近、ずっと会社業績アップに本当に役立つ、あるいは未来指向の行動に直結する計数分析のあり方について考えています。

職業柄、実に様々な企業におじゃまし、そして実に様々な計数資料を拝見します。

そんな時、必ずしも明確な目的を持たないままに、極論すれば惰性で作り続けられている資料が結構たくさんあることに気づかされます。

分析には少なくとも2つの重要な目的があります。

ひとつは、仮説をたてるための分析です。

比較的大局的な数字を元に大胆に仮説を立てるということです。

もうひとつは、たてた仮説を検証するための分析です。

この場合、分析によって仮説が検証されることもありますし、

ときにはたてた仮説に基づいて実際に行動してみて、その結果を分析して検証することもあります。

仮説をたてて検証する、実は誰でも意識せずに日常的に実行していることなのです。

例えば、この夏私の小さい息子は初めて釣りにチャレンジしました。

釣り堀のおじさんの熱心な指導もあってではありますが、

餌をかえてみたり、場所をかえてみたり、針をいれる深さを変えてみたり、、、色々と試しています。

これ、まさに仮説検証を繰り返しているということなのです。

とりたてて、仮説検証などと大仰に騒ぐことではないのです。

にもかかわらず、分析資料を作るという行為においては時としてそんなことが忘れ去られたりします。

何故そんなことが起こるんでしょうか?

作成者側の問題としては、こんな感じでしょうか。

(1)過去からやっていることを変えるのは手間だしリスクがある
(2)深く仕事の意味を考えず、ただ決められたことをもくもくとこなす仕事スタイルが身についている
(3)業務のあり方や課題を深く知らないのでそもそも意味のある資料を作成できる前提がない

受け手側の問題としては、

(1)自分以外にその資料を役立てている人がいるかもしれないと思って放置している
(2)出された資料を十分に使いこなせないのを明らかにすることで自分の無能さを証明したくない
(3)経験と勘に基づくマネジメントが身についており客観的な分析資料に重きをおいていない

当たらずといえども遠からずではないでしょうか?

このような皆さんに対して、当たり前のこと(仮説検証)を当たり前にやっていただくように刺激を与えていきたいと思っております。

→ 近刊予定 「ザ・分析マスター」(アマゾン電子出版)、ご期待ください。

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USJのハリーポッター投資効果予想
- 2014/08/19(Tue) -
近頃よくマスメディアで取り上げられるUSJのウィザディング・ワールド・オブ・ハリーポッターですが、もう行った方もいらっしゃるのでしょうか?

うちは、ほとぼりが冷めてから行ってみようかと思っています。

それはそうと、この投資にはおよそ450億円が投じられたとの報道がありました。

450億円の投資を回収するためにどれぐらの増収が求められるのか?

試算してみました。

まず、前提条件として、

・USJは一時は東証マザーズに上場していましたが、その後MBOによって上場廃止になっています。

・従って詳細な財務情報が手に入りません。

・資本コストを仮に5%に設定します
 (通常は有利子負債コストと株主資本コストの加重平均をつかいますが、これは実質的にはコストというよりも、目標投資利回りという意味を持ちます)

・この投資の耐用年数を10年と仮定します

・3年に一回の割合で追加で50億円の投資が必要と仮定します(従って3年目、6年目の2回、単純合計100億円の追加投資)

・来場者1人1回当たり限界利益を以下のように仮定
 年間フリーパス大人子ども平均15,000円÷年3回来場=5,000円/回
 飲食・商品購入 3,000円×限界利益率50%=1,500円
 合計:6,500円

・本来は投資しなかった場合のキャッシュフロー悪化との比較で投資効果を分析するべきですが、予想が難しいので現状との比較における業績浮揚効果のみを対象とします。

さて、試算です。(単位は百万円単位です)

まず、追加投資の現在価値を求めます。

5,000÷1.05の3乗+5,000÷1.05の6乗=8,050
初期投資額45,000と合算して、

投資の現在価値合計は53,050となります。

一方、割引率5%で投資期間10年の年金現価係数は7.7216ですので、

年間必要CF増加額×7.7216=53,050の方程式を解くと、

年間必要CF増加額=6,870百万円
となります。

この投資によって増加する減価償却費を仮に年平均5,000百万円とすると

年間必要純利益増加額=1,870百万円

実効税率30%(今後減税があることを見越して)とすると、

年間必要税前利益増加額=1,870百万円÷70%=2,671百万円
となります。

減価償却費が5,000百万円ですから、

年間必要限界利益増加額は7,671百万円

この金額を来場者1人1回当たり限界利益額6,500円で割ると

約118万人の延べ来場者数の増加が必要となります。

これは、2013年来場者数1050万人の約11%です。

前提条件が変わると結果はかなり変化しますし、この試算では、電力費の増加額や人件費の増加額を織り込んでいませんので更なる来場者数増加が必要かもしれません。

ハリーポッター効果で当初は2~3割来場者数が伸びると予想されていますが、これが継続的に維持できればクリア、という感じですが簡単では無い気がします。

不確定要素が多いのであくまで予想に基づく前提がベースですので、結論の正確性は十分ではありません。が、計算のプロセスは学んでいただけるのではないかと思います。

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カット専門店というビジネスモデルの未来
- 2014/08/06(Wed) -
私は、QBハウスなどカット専門店をたまに利用します。

顔そりやマッサージなどといった付加的サービスにあまり価値を見いださず、スピードと価格重視の消費者に受けている業態です。

いわゆる、アンバンドリングという名の戦略です。

これは、業界では通常一体的に提供されている商品やサービスを一旦分解して、コアとなる商品・サービスだけを顧客に提供することでコストを下げる戦略ですが、省いた商品・サービスはオプションとして提供されることもあります。

代表例は、LCC(低価格航空=機内食や指定席を省く)などがあります。

QBハウスはこのアンバンドリングを基本に、ニュービジネス大賞を受賞し、成長してきました。が、競合もないわけではありません。

クイックカットBBやカットファクトリーなどが主立ったところでしょうか。

アンバンドリングのビジネスモデルだけだと比較的容易に真似できます。

では、今後QBハウスが競争に打ち勝ち成長するために必要なことは何でしょうか?

実は、セオリーに則って、既に実施されていることが、店舗に行くとわかります。

(1)カットにこだわった技術の向上と標準化
(2)好立地の先取り
(3)成功モデルの海外展開

(1)は顧客の囲い込みにとって極めて重要です。
これを実現するための方法をブラックボックス化して蓄積できれば、長い目で見て重要な競争優位性確保に役立ちます。

(2)は重要な経営資源を先取りすることで競合の追随を許さない方法です。
その為には資金が必要です。
巨額の資金を短期間に調達できれば良いのですが、ニュービジネスでは、フランチャイズを活用することが良く行われます。
QBハウスも創業時からフランチャイズシステムを活用しています。

ただ、(1)と(2)は時として相互に矛盾します。

直営方式だからこそ質の高いスタッフを確保できる、そんな目的からフランチャイズシステムを否定するスターバックスは有名です。

(3)も急がれます。この点に置いて競合に遅れを取ると一気に海外市場をおさえられてしまう恐れがあるからです。

成功したビジネスモデル、しかし一所にとどまっていたらたちどころに競合に逆転を許してしまいます。

変化させ続けることこそが最大の保険、というわけです。

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円安と食料問題
- 2014/08/03(Sun) -
今日の日経新聞トップは食料に関する記事でした。

そして、一層の円安懸念についても大きく報じられていました。

この2つのテーマの関係を考えながら、ちょっと長文ですが、こんな記事にまとめてみました。


またまた円安の兆しです。

アメリカ経済が好調であることと、日本の金融緩和長期化見通しが影響しているようです。


この円安傾向が始まったのはアベノミクスが始まった2012年でしたが翌2013年日銀総裁に就任した黒田東彦氏による異次元の金融緩和によってこの流れが大きく加速されたのはまだ記憶に新しいところです。

Yahooファイナンスの為替変動グラフによると、2007年頃大企業を中心に好景気を謳歌していた頃の為替は115円以上の円安でしたが、世界金融危機以降円高が急速に進み、東日本大震災がおきた2011年には77円近くまで円高となり、その円高の影響による輸出減、海外経済の行き詰まり、原油価格の高止まりなどによってついに31年ぶりに貿易赤字になったのでした。

円安の影響は20140803-1


「震災で日本が危機なのに何故円高?」などと良く言われたものでした。

しかし、それは為替とは何の関係も無かったのです。


新興国などへの投資に回っていたお金が世界経済の後退に直面し、比較的安全な日本に環流したというわけです。
もちろんそのような資金はドルにも向かいますが、アメリカには巨額の経常赤字があり、それによるドル売りをカバーするほどの資金流入はなかったということなのでしょう。

結果、円だけが高くなった。そういうことなのです。


あの頃に比べると今日の為替水準は輸出企業にとっては誠に有り難いことになります。

円安は輸出にはプラスに働きます。

もし、外貨建て価格が変わらないとすれば円貨での受取額が増加します。

逆に円建て価格を変えないとすれば、外貨建て価格が下がり国際競争力が高まります。

家電各社が業績を急回復させた要因としては、もちろんそれぞれの経営努力は否定できませんが、円安によってサムソン(ウォン高)などアジアの競争相手との不利な戦いから解放されたことの影響は小さくはなかったのだろうと思われます。

いずれにしても、輸出企業には恩恵です。


しかしながら、輸入に関しては、外貨建て価格が変わらないとすれば、円建てでの支払額が増加し物価を押し上げます。

輸入財の価格が高騰した場合、国内でより安いものがあれば置き換わるでしょうが、アジアを中心とした低価格品に太刀打ちするのは容易ではありませんし、原油などエネルギーについては代替は困難です。

結果として物価高となるわけです。


本田技研工業に代表されるように、日本企業の現地化も進み、昔ほど輸出における円安メリットは無いとも言われます。


ちなみに、内閣府がまとめた「海外生産比率」と「海外設備投資比率」の推移を見ると、2009年度以降の海外設備投資比率の急上昇が際立っていることがわかります。特に輸送機械、つまり自動車の海外投資がいかに活発化がよくわかります。

海外生産比率については、製造業全体では、昭和の時代は10%までだったのが、平成に入り20%近くまで上昇していることがわかります。


海外設備投資比率の急上昇に鑑みると、この海外生産比率が今後一段と大きく上昇することが容易に予想できます。

円安の影響は20140803-2

となると、円安による輸出への好影響は限定的、一方で輸入価格の高騰は確実に追いかけてきます。

さてさて、物価の高騰ということは、消費者にとっても輸入財をつかって国内市場を相手に事業をする企業にとってもつらいことです。


でもそれ以前に、

今日の日経新聞によると、2050年には世界人口が96億人に増加するとのことです。

そうすると、今後間違いなく食料と原油や天然ガスといったエネルギー源の需給が益々逼迫してきます。

それを考えると、むしろ円高が好ましいということになります。

そろそろ円安に歯止めがかからないと日本にとって良いことは無い気がするのです。

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